カヴァーで名曲になった『知床旅情』『オホーツクの舟唄』


 



白夜について調べていたら「知床旅情」の話がでてきまして、この曲が
知られる以前は「はくや」という読み方が正しい読み方だったらしいですが、
同曲の歌詞で「びゃくや」と歌われていることから、この読み方が有名になり
皆が「びゃくや」としか読まなくなったそうです。

生前母がカラオケで歌っていたような気がする、というほどのうろ覚え
だったのですが、さっき改めて加藤版、倍賞版を聴いていたところ、
しんみり聴き入ってしまい図らずもブックマークしてしまいました。
”昔のだけど今聴いても全然古さを感じない” というのが私好きなんです。
なんといっても加藤登紀子さんと倍賞千恵子さんの歌唱力が凄いのですよ。

知床旅情」と「オホーツクの舟唄」はどちらも森繁久彌氏作詞・作曲の
有名な歌です。私はさっきまで知床旅情しか知らなかったのですが、
聴き比べたら倍賞千恵子さんの「オホーツクの舟唄」の方が気に入りました。

では簡単に曲の経緯を説明しますと、

1960年に森繁久彌氏が映画音楽として作曲し「しれとこ旅情」として発表。
森繁さんご自身が歌ってます。




また1962年、同曲を「知床旅情」と改め、森繁久彌氏自ら紅白歌合戦で歌うが、
 この時はそれほど注目されませんでした。

さらに1963年、タイトルと歌詞を替えてこれも自らレコーディングして、
「オホーツクの舟唄」としてシングルレコードを発売しますがヒットせず、
この時点では、それほど世に知られることはありませんでした。

この曲が有名になったのは1970年になってからで、加藤登紀子さんが
知床旅情」をカヴァーしたのがきっかけでした。
翌年にはオリコンヒットチャートで7週連続1位を獲得。
累計売上は140万枚を記録。

また1976年には、倍賞千恵子さんによる「オホーツクの舟唄」が、
メロディは「知床旅情」そのままで曲名と歌詞を変えて発表。
森繁さん自身が、倍賞千恵子さんにカヴァーを依頼したといいます。

このお二人のカヴァーをきっかけに、人々に知られるようになり、
その後、美空ひばり石原裕次郎小林旭山口百恵藤圭子
テレサテンさんなど多くのベテラン歌手によって歌い継がれていきました。

森繁氏の歌も味があっていいのですが、やはり聴き比べると加藤、賠償版は
圧巻といえます。

先日亡くなったすぎやまこういちさん作曲の「亜麻色の髪の乙女」も、
島谷ひとみさんのカバーの方が有名ですが、66年にリリースされた
ヴィレッジ・シンガーズの原曲もやはり長年お蔵入りになっていたようです。

このようにカバーで有名になった曲ってたくさんあるのですが、
あまり知らなかった原曲の方が断然いい、というパターンもあり、
発見した時は楽しいですね。
皆さんもお気に入りの名曲を探してみてくださいね。