今年はカツオが豊漁
今年の初鰹は豊漁らしいです。
カツオは黒潮の流れに乗って来るので「黒潮の子」といわれます。
黒潮の源流は、日本から遥か1万km離れた赤道付近。
フィリピン沖には、1万km離れたハワイ沖から1年中強風が吹きつけており、
これに地球の自転の力が加わり、海流が生じて黒潮となります。
フィリピンの沖合で大陸棚にぶつかった流れは北に向きを変え、
暖かな赤道付近の水を一つに集め、台湾・石垣島~トカラ海峡を通って、
日本南岸へ流れ込みます。
黒潮が運ぶ水や熱の量は世界の海流の中でも群を抜いて大きく、
黒潮は日本列島の気候や風土に計り知れない影響を与えてきたといいます。
黒潮を吸い上げた雨は日本列島に降り注ぎ、森でミネラルを含んだ水に変わり、
川や水田、海へと流れ出ます。
日本の暮らしを支えてきた稲作も黒潮がもたらす暖かさと湿り気の賜物。
この森と川と海の循環が黒潮を豊かにしています。
さらに黒潮は海底から栄養に富んだ生き物の死骸を大量に巻き上げていきます。
そして黒潮の恵みをたっぷり吸収したカツオは世界で最も大きな魚へ育ちます。
この黒潮が近年、日本南岸で大蛇行しています。
オレンジが海水温の高い場所で、緑が低い場所。
その境目が黒潮です。(青は冷水渦。)
この黒潮の大蛇行がカツオの豊漁をもたらしてるそうなのです。
これが2017年8月から現在まで続いており、
1965年以降最長とのことです。
平年は図のように蛇行せず、一直線に北東に流れます。
そのため海の幸が激減してます。
海苔、アワビ、サクラエビ、シラス・・・。
初ガツオは嫁を質に入れてでも・・・といいますが、
江戸時代は貴重なものだったのです。
せっかくの豊漁なので食べてみたいですね!
大地はささばはづるるとも虚空をつなぐ者はありとも、
潮のみちひぬ事はありとも日は西より出づるとも、
法華経の行者の祈りのかなはぬ事はあるべからず。
(祈祷抄)