熱気球飛行による有人飛行は近年になってからですが、
中国やモンゴルでは古い時代から天灯という無人の熱気球があったそうです。
伝説によれば、諸葛亮孔明が援護の合図など軍事目的で考案したともいわれ、
チャイニーズランタンや孔明灯などと呼ばれています。
タイでこの「天灯」はコムローイと呼ばれ、チェンマイではローイクラトンというランタン祭りが毎年12月の満月の夜に催されます。
映画ディズニーの「塔の上のラプンツェル」でも有名なシーンです。
出典:GATAG
仏陀への敬意を表す意味があるそうです。
■世界初の有人飛行
1783年12月フランスのモンゴルフィエ兄弟が熱気球で世界初の有人飛行に成功します。
弟ジョセフと兄ジャック
どっちがジョセフかわかりませんが(笑)、当初の発案はジョセフが主に行っていたようです。
ジョゼフは、洗濯物が舞う様子や、焚き火から燃えカスが舞い上がるのを見て熱気球のヒントを得たといいます。
ジョセフは早速、1m四方ほどの絹の生地を使って簡単な熱気球を作り部屋の中で実験しました。点火すると小さな気球は浮かび上がり天井にぶつかったのです。
そして次に3倍の大きさの熱気球を作ってみると、その上昇力はすさまじく係留の綱が足りなくなったといいます。
■ベルサイユ宮殿での飛行テスト
噂は広まり、1783年9月19日にフランス王ルイ16世、王妃マリー・アントワネットそして多くの群衆が見守る中、ヴェルサイユ宮殿で壮大な飛行実験が行われました。
この気球はマリーアントワネット号と名づけられました。
気球に装飾された‟MA‟の文字はマリー・アントワネットの頭文字だそうです。
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でも、この時はまだ人を乗せるのは危険と考え、替わりに羊とアヒルと鶏の3匹の動物を乗せたのでした。
そして気球は約8分間滞空し、3km移動したのちに着陸。実験は成功したのです。
■世界初の有人飛行
それからおよそ2か月後の1783年11月21日 ついに2人の侯爵を乗せた気球がパリ近郊のブローニュの森に近い庭園から910mほどまで上昇し、上空9kmの距離を25分間飛行。パリの人々を驚かせました。
この飛行は一大センセーションを巻き起こし、多数の版画が作られたといいます。
これが熱気球による世界初の有人飛行となりました。