咲いた花だけ 人は観て
きれいな花だと もてはやす
北島三郎さんの演歌「根っこ」の冒頭。
名曲で聴くたびにしみじみしますが、最近の若い人は聴かないだろうか。
この歌詞にあるように、目に見えない地中深くには根っこがあります。
「何も咲かない寒い日は、下へ下へと根を伸ばせ。やがて大きな花が咲く」
とは、シドニー五輪女子マラソンで金メダルを獲った高橋尚子選手の恩師
小出監督の言葉だそうですが、きっとずっと前からいわれている言葉でしょう。
世界には十分な食糧を得たり、教育を受けられなかったりする人々がいたり
また恵まれた環境があるにも関わらず芽の出ない人だっています。
誰もが花を咲かせられるわけではないのが現実です。
実力を養い、道を開き、それを発揮するためには運などの要素も重要となります。
それは決してきまぐれなものや偶然的なものではなく、
生命の源にあるリズムと調和していくことであらわしていけるのです。
法華経の「三草二木の譬え」によれば、妙法の慈雨によってそれぞれの
個性や機根の異なる草木(衆生)も自身の花を咲かせることができます。
そして大事なのは楽しむことでしょう。
これは世界中のアーティストやアスリートたちが口を揃えて言っています。
自分自身の中にある、価値を生み出すための善なる衝動。
それさえあれば、たとえ日が当たらなくても十分だといえるような何かです。
それさえあれば、いつか必ず光が射すであろうといえる何かです。