ハワイ 山火事 太平洋戦争 新・人間革命 日本国憲法

 

8日からハワイのマウイ島で山火事が発生し、10日たった現在、死者数114人、行方不明者1300人以上。電線が切れて草木に引火し、さらに強風で延焼した模様です。沿岸部に押し寄せた多くの車が、焼け焦げた姿を無残に残しています。海に飛び込んだ人も多いとのことです。

 

犠牲となられた方々やご家族へ、心よりお悔やみ申し上げます。

 

最近では、カナダでも大規模な山火事が起きており、地球温暖化が原因の一つとされていますが、近年、地球上のあちこちで多発しており、いったん森林などで燃え広がった炎はなかなか食い止めることが難しいようです。(日本でも、5日のいたばし花火大会でも枯草が延焼する事故があったようです。)

 

21日にバイデン大統領が被災地を訪問されるようですが、ハワイは、前回記事にしたオバマ大統領の生まれ故郷(ハワイ島のホノルル)でもあります。

 

毎年8月は、日本では戦争と平和を考える季節となっており、前回は「プラハ演説」全文を掲載し、核廃絶への決意を新たにしました。またSGIが取り組んできた核なき世界へ向けた平和運動の歴史をまとめたものを職場の方に渡したりもしました。

 

核兵器は絶対悪であり、全人類的な英知と努力で廃絶させなければならないものです。

 

しかし戦争の発端となったのは、そもそも1941年に、日本が当時アメリカの軍事拠点であったハワイ・オアフ島真珠湾を攻撃したからで、それにより太平洋戦争の火ぶたが切られたのです。


まともに戦って勝てる相手ではないことから、奇襲攻撃に活路を見いだしたわけですが、日本は勝機を得るどころかアメリカの逆鱗に触れ、圧倒的な軍事力や通信技術、情報戦で敗れ、最終的に原子爆弾を投下されるにいたり、全面降伏のうえ、敗戦を余儀なくされたのです。

 

たとえば、殴った相手が銃を持ってて反撃されたという場合、どこまでその仕返しの強さを非難できるでしょうか。これは均衡性(相当性とも)の問題。19世紀以来の国際法上の自衛権の概念でもあります。

  
一方で当時の日本は、戦争中、「天皇陛下のために死んで来い」と教えられ、結果的に多くの国民(臣民)の命が犠牲になりました。兵役を拒否することはできず、帝国憲法下に自由や人権はなかったといえます。創価学会の牧口初代会長と戸田二代会長も治安維持法不敬罪で逮捕投獄され、牧口先生は1944年11月18日に獄中で逝去されました。奇しくも、戸田先生とともに学会を創立した11・18の日に。



その意味で、戦後制定の現在の日本国憲法は、普遍的価値観を有するものであり、国民主権、平和主義、基本的人権の尊重を基本原理とする、自由と人権が保障された内容となりました。これを「日本人によって作られたものではない」からと問題視する人もいますが、大事なのは内容であり「すぐれた憲法」であるという認識が広く共有されるべきであろうと思います。

 

このような経緯から、戸田先生は、厚木基地に降り立ったマッカーサーGHQ総司令官)を梵天君と呼びました。梵天・帝釈はインドの神様の名前ですが、仏教においては諸天善神と位置付けられます。



生命変革の仏法は、インドを発祥地とし東洋に伝えられた宗教であるのに対し、(17世紀にキリスト教啓蒙思想から発展した)自由と人権の普遍的価値観は西洋由来のものです。それが、現日本国憲法として結実したのです。

 

立正安国論にいわく、

天下泰平国土安穏は君臣の楽う所土民の思う所なり、夫れ国は法に依つて昌え法は人に因つて貴し国亡び人滅せば仏を誰か崇む可き法を誰か信ず可きや、先ず国家を祈りて須く仏法を立つべし

また、「新・人間革命」の冒頭には、
 平和ほど、尊きものはない。
 平和ほど、幸福なものはない。
 平和こそ、人類の進むべき、根本の第一歩であらねばならない。

とあります。

 

このように、まずは社会の枠組みとして自由や人権が確立され、その上ですぐれた信仰が広まりうる、のかもしれません。公正な社会的基盤の上に、自由な討論が交わされ、すぐれた普遍的価値観も、普遍的な法も、人間性を豊穣にする精神文化も広められるのでしょう。


鎌倉時代も、戦前も人権思想は希薄で、日蓮大聖人は草庵焼き討ちに遭い、島流しとなりました。牧口・戸田会長も国家神道を批判したり、神札を拒絶したことで逮捕、投獄されました。戦前は、自由な言論も、自由な信仰も許されない時代であったのです。


平和も戦争も、人の心から生じるものです。これはユネスコ憲章(前文)に書かれています。では、どのようにして人の心に平和の砦が築かれるのか。究極的な問題です。自由と公正を基盤に、思想、道徳、信仰を強制するのでもなく、対話や人々の内発性を尊びながら、いかにして多様な意見が正しく導かれゆくのか。これは難問ですが、その羅針盤となるものこそ妙法にほかならないと考えます。しかしその妙法を弘めることも、難事中の難事といわれます。

 

とはいえ現在は、まだ十分な確信や説得力を持っているわけではないので、学びや経験を深めながら「伝える力」を持っていけたらと思います。

 

今あらためて「新・人間革命 第1巻」を読んでます。太平洋戦争がハワイから始まったことから、主人公・山本伸一の世界広布第一歩は、ハワイから始まります。また、旅立った1960年10月2日は、立正安国論上奏から700年の節目であり、不思議な時の符合であることが記されています。

 

少しずつ読み進めながら、感銘を受けた個所をWORDに貼り付けています。